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お役立ち情報

2026.07.07

【専門家解説】データ利活用の鍵を握る「匿名加工情報」とは?仮名加工情報との違いと活用の注意点

そもそも「匿名加工情報」とは何か?

「匿名加工情報」とは、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、かつ、元の個人情報を復元できないようにしたものです。

最大の特徴は、適切に加工プロセスを踏むことで、元の「個人情報」の枠から外れる点にあります。

【匿名加工情報の最大のメリット】

本人の同意を得ることなく、自由に目的外利用や第三者(他社)への提供・販売ができるようになります。

想定される具体的な活用例

  • 医療・製薬分野: 複数の病院から集めた患者の症例データ(氏名や生年月日を完全に削除・変換)を分析し、新薬の開発や生存率の予測に役立てる。
  • MaaS・交通分野: カーナビやスマホアプリから得られる位置情報・走行履歴を匿名化し、渋滞予測や都市計画のために自動車メーカーや自治体へ提供する。

【重要】「匿名加工情報」と「仮名加工情報」の違い

企業のデータ活用において最も混同しやすいのが、令和2年改正(2022年4月施行)で新設された「仮名加工情報」との違いです。

自社がやりたいデータ分析にどちらが適しているか、以下の比較表で確認してみましょう。

項目 匿名加工情報 仮名加工情報
定義(ざっくり) 誰のデータか完全に分からない(復元不可) 他の情報と照合しなければ誰か分からない
加工のレベル 非常に厳しい(特異な値の削除、ノイズ付加等) 比較的緩やか(氏名などをIDに置き換える等)
データの有用性 加工度が大きいため、分析の精度が落ちるケースも 加工度が低いため、データの有用性が高い
第三者提供 本人の同意なしで可能 原則として禁止(共同利用等は除く)
主な目的 自社での分析のほか、他社へのデータ販売・提供 自社内でのデータ分析(AI学習、マーケティング等)

一言で言えば、「他社に提供・販売してオープンに活用したいなら匿名加工情報」、「自社内でAIの機械学習や高度な顧客分析を行いたいなら仮名加工情報」という使い分けになります。

2026年現在の法改正トレンドから見る「加工情報」の注意点

個人情報保護法は現在、さらなる「3年ごと見直し」のフェーズ(2026年改正案の動き)を迎えています。今回の見直しでは、生成AIの普及やプロファイリング(個人の行動分析)技術の進化に伴い、データの不適正利用の禁止や透明性の向上がこれまで以上に厳しく求められています。

これを踏まえ、企業が匿名加工情報(および仮名加工情報)を取り扱う際には、以下の3つのポイントを徹底する必要があります。

  • 「識別行為(復元)」の絶対的な禁止

匿名加工情報を作成・利用する際、他のデータと突合して「これが誰のデータか」を特定しようとする行為(識別行為)は法律で固く禁止されています。

  • 加工基準の適切なクリアと社内運用の透明化

単に「氏名を消しただけ」では匿名加工情報とは認められません。住所を市区町村単位に丸める、特異なデータ(例:年齢が110歳など)を削除・トップコーティングする、といった適切な加工基準をクリアし、その安全管理措置を社内でドキュメント化しておくことが求められます。

  • 第三者提供時の公表義務

匿名加工情報を他社に提供する場合は、ホームページなどを通じて「どのような項目(例:年代、性別、購買履歴など)のデータが含まれているか」を対外的に公表する義務があります。

まとめ:これからの企業に求められるデータガバナンス

「匿名加工情報」は、個人のプライバシーを守りながら、蓄積されたデータをお金(新たな価値)に変えるための強力なツールです。しかし、近年の法改正の潮流は「個人の権利保護の強化」へと傾いています。

企業がデータ利活用を進める際は、単に「法律の穴を突く」ような姿勢ではなく、「私たちはこのデータをこのように安全に加工し、社会のために役立てています」と堂々と説明できる透明性(データガバナンス)を持つことが、結果としてユーザーからの信頼とビジネスの成功につながります。

 

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