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2026.10.04
タイムズカー個人情報漏洩で免許証再発行費用は会社負担すべき?業務利用時の労務対応と経費精算ガイド
2026年9月、カーシェアリング大手「タイムズカー」を展開するタイムズモビリティにて、最大約660万件に及ぶ大規模な個人情報漏洩が発生しました。氏名や住所だけでなく、運転免許証などの本人確認書類画像が約160万件含まれていることが公表され、なりすましや悪用への不安が広がっています。
こうした中で企業の総務・人事担当者の頭を悩ませているのが、「業務でタイムズカーを利用させるため、便宜上個人アカウントを登録させていた従業員への対応」です。
従業員から「免許証の再発行費用や、信用情報機関への本人申告にかかる手数料を会社で負担してほしい」と求められた場合、企業はこれに応じるべきなのでしょうか。
本記事では、業務利用に伴う漏洩リスクの法的考え方、会社負担の妥当性、および具体的な実務対応ステップを分かりやすく解説します。
結論:業務上の必要性で登録していた場合は「会社負担」が原則
結論から申し上げると、従業員が会社の業務で利用することを前提に登録(または指示・容認)していた場合、免許証再発行費用や信用情報機関への登録費用は「会社が負担(業務経費として精算)」するのが適正かつ望ましい対応です。
法的な義務として明文で「事業主が全額賠償せよ」と規定されているわけではありません。しかし、労働法上の観点や安全配慮義務、業務起因性の原則から考えると、従業員に自己負担を強いることには大きな問題があります。
今回発生する対策費用と具体的な内容
今回の事案において、被害を受けた(あるいは流出の可能性が高い)従業員が取るべき主な防止策と、それに伴う費用は以下の通りです。
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対策内容 |
具体的な手続き・概要 |
想定費用(1人あたり) |
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運転免許証の再発行 |
漏洩による悪用防止のため、警察署や運転免許センターで再交付(番号変更等)を受ける |
約2,250円(都道府県による) |
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信用情報機関への本人申告 |
CICやJICC等に「本人確認書類が紛失・漏洩した」旨を登録し、勝手なローン契約等を防ぐ |
約500円〜1,000円/社 |
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住民票コードの変更(任意) |
本人確認書類と併せて住所等が悪用される懸念がある場合の変更手続き |
数百円程度 |
合計すると、1人当たり3,000円〜5,000円程度の実費が発生します。金額自体は数十万円といった高額ではありませんが、社員にとっては「会社の指示で登録したのに、なぜ自分が自腹を切らなければならないのか」という不満の種になります。
会社が費用を負担すべき3つの理由
業務利用を前提としていた場合、企業が費用負担(経費精算)を認めるべき理由は主に以下の3点です。
1. 業務起因性が認められる(費用の事業性)
従業員がタイムズカーに登録した動機が「会社の業務(出張、直行直帰の営業など)をスムーズに行うため」である場合、その登録は業務遂行の一環とみなされます。業務を円滑に進めるために発生したリスクや、それに伴う防衛費用は、事業運営上の経費(業務起因の費用)として処理するのが理にかなっています。
2. 労働者への不利益転嫁と労務トラブルの回避
労働基準法上の観点からも、業務遂行に伴って生じた不利益や費用を合理的な理由なく労働者に負担させることは望ましくありません。「会社の指示・容認で登録したのに自己負担を強いられた」となると、会社への不信感が募り、労使関係の悪化やモチベーション低下に直結します。
3. 安全配慮義務とリスク管理の観点
企業には従業員が安心して働ける環境を整える「安全配慮義務」の一環として、業務に関連して生じた損害や不正利用リスクから従業員を守る姿勢が求められます。信用情報機関への登録などを迅速に行わせることで、二次被害(社員名義での不正契約等)を未然に防ぐことは、企業自身の防衛(社員の就労継続やトラブル防止)にも繋がります。
タイムズ(運営元)からの補償・補填がある場合の対応
「タイムズカー側(タイムズモビリティ/パーク24)が補償や見舞金を出すのではないか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
個人情報漏洩事故において、事業者側がお詫び金や実費補償を行うケースはあります。しかし、運営会社による個別対応や手続きには時間がかかる場合が多く、また免許再発行費用等の全額が即座に補償されるとは限りません。
実務上の対応としては、まず会社が従業員に対して「立替経費」として先行して支払いを行い、将来的にタイムズ側から従業員個人へ補償金や賠償金が支払われた段階で清算(返金や控除)を行うルールを設けておくのが最もスムーズです。
総務・人事担当者が今すぐ進めるべき実務手順
社内でのトラブルや混乱を防ぐため、以下の手順で迅速に対応を進めましょう。
STEP 1:業務利用者の実態把握
社内でタイムズカーを業務利用している(していた)従業員のリストを作成します。法人会員として登録している場合だけでなく、個人アカウントを業務で利用させていたケースも漏れなく把握してください。
STEP 2:費用精算に関する社内方針の周知
全社に対して、今回の漏洩事件に関する対応方針をアナウンスします。
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「業務利用で登録している場合、免許証再発行や信用情報機関への本人申告費用は経費申請を認める」旨を明記。
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領収書や受領書の提出を義務付ける。
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運営元からの補償が発生した場合の取り扱いを注記しておく。
STEP 3:二次被害防止のための注意喚起
漏洩した情報(氏名・住所・電話番号・メールアドレス等)を悪用したフィッシングメールや、タイムズを騙る詐欺電話への注意を呼びかけます。不審な連絡があった場合の社内報告窓口を設定しておくと安心です。
まとめ
タイムズカーの個人情報漏洩事件において、業務利用を目的に登録していた従業員からの費用請求があった場合、「会社負担(経費精算)」として対応するのが労務管理およびリスク管理の上で最善の判断です。
数千円の費用負担を惜しんで従業員の不信感を招くよりも、企業として誠実かつ迅速に対応し、二次被害の防止と安心感の提供に努めることが、巡り巡って会社の信用と組織の健全性を守ることに繋がります。担当者の方は、早急に社内規程や経費精算の方針を確認し、適切なアナウンスを行いましょう。
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