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2024.10.08
次世代医療基盤法とプライバシーマーク(Pマーク)の関係性について
日本において、個人情報保護の重要性は年々増しており、特に医療分野では高度なデータ管理が求められています。次世代医療基盤法(正式名称:次世代医療基盤整備法)とプライバシーマーク(Pマーク)は、いずれも個人情報の保護と適切な取り扱いに関する制度ですが、それぞれの目的や対象は異なります。それにもかかわらず、両者には密接な関連性があり、特に医療データを扱う企業や医療機関にとって、これらの制度の適切な理解と運用が必要です。本ブログでは、次世代医療基盤法とプライバシーマークの概要と、それらの関係性について詳しく解説します。
次世代医療基盤法とは
次世代医療基盤法は、2018年に施行された法律で、主に医療分野での個人情報の利活用を促進し、医療の高度化や新しい治療法の開発を目的としています。この法律は、医療データを適切に管理しながら、ビッグデータとして研究開発に活用できるようにするための基盤を整備することを目的としています。
具体的には、次世代医療基盤法の下で、医療データの収集、解析、提供を行う「認定事業者」が存在します。この認定事業者は、患者や医療機関から提供された医療データを収集し、匿名化した上で研究機関や企業に提供する役割を担います。この際、医療データの提供や利活用にあたっては、個人情報の保護が最も重要な要素となります。そのため、次世代医療基盤法では、データの匿名化や患者の同意取得、適切な管理体制の整備が義務付けられています。
プライバシーマーク(Pマーク)とは
プライバシーマーク(Pマーク)は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営する制度で、個人情報を適切に取り扱っている企業や団体に対して与えられる認証です。Pマークの取得は、個人情報保護法に基づき、個人情報を適切に管理し、情報漏えいや不正な使用を防ぐ体制を持つ企業に与えられます。
Pマークを取得するためには、企業や団体は個人情報の収集、利用、保管、削除までの一連のプロセスを整備し、適切な管理体制を構築しなければなりません。また、定期的な内部監査や外部の審査を通じて、その体制が維持されていることが確認されます。Pマークを取得することで、企業は個人情報の保護に対する信頼性を示すことができ、取引先や顧客からの信頼を高める効果があります。
次世代医療基盤法とPマークの共通点
次世代医療基盤法とPマークには、共通する要素がいくつかあります。まず、どちらも個人情報の保護に関するものであり、データの適切な管理と利用を目的としています。次に、データの取り扱いに際して、透明性の確保や、データ主体(患者や顧客など)の権利保護が重要視されている点です。
次世代医療基盤法では、医療データの匿名化や、患者の同意取得が義務付けられており、これにより個人のプライバシーが守られることが強調されています。一方、Pマークの取得要件には、企業や団体が個人情報の収集時に本人の同意を得ることや、データの安全管理措置を講じることが含まれます。この点で、両制度は個人情報保護における共通の基盤を持っていると言えます。
次世代医療基盤法とPマークの違い
一方で、次世代医療基盤法とPマークにはいくつかの違いもあります。まず、次世代医療基盤法は主に医療データを対象としており、医療機関や医療関連事業者に特化した法制度です。この法律のもとで認定される「認定事業者」は、医療データの匿名化やデータ利活用の管理を徹底することが求められます。
これに対し、Pマークは医療に限らず、広範な業種や企業が対象となります。Pマークの対象となるデータは、医療情報だけでなく、一般的な顧客情報や従業員情報など、個人情報全般にわたります。そのため、Pマークを取得している企業が必ずしも医療データを扱っているわけではなく、またその管理体制も次世代医療基盤法の認定事業者とは異なる可能性があります。
次世代医療基盤法とPマークの相互補完関係
次世代医療基盤法とPマークは、目的や対象が異なるものの、医療データを取り扱う企業や団体にとっては、相互補完的な関係にあります。医療関連事業者が次世代医療基盤法に基づいて認定事業者となる際、Pマークを取得していることは、個人情報保護体制の信頼性をさらに高める要素となります。
具体的には、Pマークの取得により、医療データ以外の個人情報(例えば、従業員や取引先の情報)の管理体制も整備されるため、全体としての情報管理水準が向上します。また、Pマーク取得に必要な内部監査や定期的なレビューを通じて、次世代医療基盤法の認定要件であるデータ管理体制の維持・向上にも役立つでしょう。
さらに、Pマークの取得は、企業が個人情報保護に真剣に取り組んでいることを社会に示す重要な手段です。医療データを扱う企業にとって、Pマークの取得は、医療機関や患者からの信頼を得るための大きなポイントとなります。
まとめ
次世代医療基盤法とプライバシーマークは、それぞれ異なる制度ではありますが、個人情報保護を中心に据えており、特に医療データを扱う企業や団体にとっては両者の理解と適切な運用が不可欠です。次世代医療基盤法に基づく認定事業者となるためには、医療データの管理が求められる一方で、Pマークの取得により、全般的な個人情報保護体制の信頼性を高めることが可能です。これらを組み合わせて活用することで、医療分野における個人情報の適切な管理と活用が促進され、さらに医療の発展にも貢献することができるでしょう。
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