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2024.10.09
MEDISでPマーク取得に挑んだものの、挫折した事例
これはとあるお客様がご自身でPマークを取ろうとした際に挫折された事例になります。
ある中小企業のAさんは、会社として個人情報の取り扱いを適切に管理するため、プライバシーマーク(Pマーク)を取得することを決意しました。特に、医療や介護関連の情報を取り扱うシステムを運営する企業向けの個人情報保護マネジメントシステム「MEDIS(メディス)」での認証取得を目指しました。これにより、取引先や顧客からの信頼を高め、ビジネスチャンスを広げることができると考えたのです。しかし、Aさんはその過程で数々の困難に直面し、ついに挫折してしまいました。今回はその事例を紹介します。
スタート時の熱意
最初、AさんはPマーク取得のプロセスに対して非常に前向きでした。特にMEDISは医療情報を取り扱う企業に特化しており、同社の業務内容にもぴったり合っていると感じたのです。セキュリティ強化や顧客の信頼向上につながるだけでなく、Pマークを取得することで競合他社との差別化も図れると期待していました。必要な書類の作成や社内体制の見直しに取り組む姿勢は、最初は非常に積極的でした。
手続きの複雑さに直面
しかし、Pマーク取得の手続きが進むにつれ、Aさんは徐々にその複雑さに苛立ちを感じ始めます。MEDISに基づく個人情報保護マネジメントシステムの要件は、他の業界向けのシステムに比べて特に厳しく、細かい規定や文書管理が求められます。Aさんは、個人情報の収集、利用、保存に関するポリシーを1から見直す必要があり、全社的なルールや手順を再構築しなければならないことに気付きました。
特に問題となったのは、社内の意識改革です。社員全員が個人情報保護の重要性を理解し、日常業務の中で徹底するためには、定期的な教育や訓練が欠かせません。しかし、忙しい業務の合間を縫ってこれらのトレーニングを実施するのは簡単ではなく、Aさんはしだいに業務負荷の重さに押しつぶされるようになっていきました。
外部審査の厳しさ
さらに、外部審査が始まると、Aさんは次々と出てくる改善要求に圧倒されます。最初は「多少の修正で済むだろう」と軽く考えていたものの、実際には多くの書類が再提出を求められ、システムの運用プロセスにも大幅な見直しが必要とされました。個人情報の適切な取り扱いを文書化することはもちろん、リスク管理や外部委託先との契約内容まで詳細に記載しなければならず、作業は膨大でした。
加えて、専門的な知識や法律の理解が必要とされる部分も多く、Aさんはコンサルタントの助けを借りることを検討します。しかし、それにかかるコストや時間の負担も無視できず、会社のリソースをどこまで割くべきかで悩む日々が続きました。
最終的な挫折
最終的にAさんは、Pマークの取得を諦める決断を下しました。時間と労力の膨大さ、社内体制の変更への反発、さらに外部からの指摘による精神的なプレッシャーに耐えきれず、これ以上続けることが現実的ではないと感じたのです。
「1度は挑戦したが、ここまで難しいとは思わなかった」と、Aさんは振り返ります。
Pマーク取得には確かに多大な労力が必要ですが、同時に企業の信用力向上や、法令順守の観点でのメリットも大きいです。しかし、Aさんのように、社内体制の整備やコストに対して圧倒され、断念する事例も少なくありません。彼は最終的に、社内のセキュリティ強化のみに注力し、Pマークの取得を見送ることでバランスを取る方針に切り替えました。
まとめ
Pマークの取得は、特にMEDISを用いる業界においては非常に意義深いものですが、その取得には高度な準備とリソースが求められます。Aさんの事例は、取得を目指す企業にとっての教訓となるでしょう。時間とコストをしっかりと見積もり、事前に準備を整えることで、よりスムーズに進めることができるはずです。
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