
個人情報の取り扱いは、企業にとって重要な課題の一つです。
特に、人材派遣会社や求人情報を扱う企業では、候補者の経歴やスキル情報を適切に管理し、必要に応じてクライアント企業へ提供する必要があります。
しかし、個人情報保護法の規制により、個人情報の取り扱いには厳格なルールが適用されます。
では、個人情報を加工した場合、どのようなケースで「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しない状態になるのでしょうか?今回は、その条件と具体例について解説します。
まず、「個人情報」と「匿名加工情報」の定義を整理しておきましょう。
個人情報(個人情報保護法 第2条第1項)
「特定の個人を識別できる情報」または「他の情報と照合することで識別できる情報」のこと。例えば、氏名、住所、生年月日、顔写真、社員番号などが該当します。
匿名加工情報(個人情報保護法 第2条第6項)
個人情報を加工し、「特定の個人を識別できないようにし、かつ元の情報に戻せないようにした情報」のこと。匿名加工情報として利用する場合、適切な管理が求められます。
つまり、単に名前を削除するだけでは「匿名加工情報」にはならず、ほかの情報(職歴、学歴、資格など)との組み合わせで特定可能であれば、引き続き「個人情報」として扱われます。
では、どのように加工すれば、個人情報にも匿名加工情報にも該当しないのでしょうか?主に以下の3つの条件を満たす必要があります。
例:
NG:「東京都〇〇区出身、〇〇大学卒、△△株式会社で営業経験5年」
OK:「都内の大学卒、営業経験あり」
例:
NG:「Aさんの情報を基にした仮名の履歴書」 → 社内のデータと突き合わせれば特定可能
OK:「複数の経歴を統計的にまとめたデータ」
統計データや業界全体の情報のように、個人に紐づかない形でデータを整理すれば、それは「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しません。
例:
「派遣登録者の平均年齢は35歳」
「ITエンジニア経験者のうち、80%がJavaスキルを持つ」
「営業職の平均勤続年数は5年」
このように、データを個別の情報から集計・統計化することで、個人識別性を排除することが可能です。