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お役立ち情報
2025.05.04
突然の営業電話、あなたならどうする?〜個人情報と営業のマナーを考える〜
「……はい、〇〇株式会社・総務の佐々木です」
その日も、佐々木真理さん(38)はいつも通り、静かなオフィスで経理処理を進めていた。電話が鳴るまでは。
「お世話になります!〇〇システムの田中と申します。今、企業様向けに新しいツールのご案内をしておりまして――」
冒頭からテンポの速いセールストーク。聞き覚えのない会社名。しかも、相手はこちらの名前も部署も知っている様子。
「……え、なんでこの番号を? 誰がどこでこの情報を渡したの?」
真理さんの頭に、ひとつの疑問と不安がよぎる。
営業電話の多くは、業界名簿・ウェブ上の企業情報・展示会の名刺交換など、公開されている法人情報をもとにかけられている。
中には名簿業者から購入したデータを使っているケースもある。
だが、そうした説明がないまま、いきなり個人名や部署を名指しで話し始めると、受け手はこう感じる。
「これはどこでうちの情報を手に入れたのか?」
「うちの情報、勝手に使われてないか?」
「個人情報の目的外利用では?」
真理さんも、まさにこの状態だった。
真理さんは、戸惑いながらもこう聞いた。
「ちなみに、うちの情報はどちらから入手されたのですか?」
すると、相手の営業マンは一瞬詰まった後、
「え、あ、たぶん業界名簿とか……ウェブかも、ですかね……」
曖昧な返答に、不信感が募る。真理さんはすぐに会話を切り上げることにした。
真理さんは後輩にこうアドバイスした。
「突然の営業電話にはね、“3つの質問”を投げかけるといいのよ」
質問1:「どこでこの番号・名前を知りましたか?」
→ 情報源が不明確な場合、目的外利用や名簿購入の可能性もある。
質問2:「御社の会社名とサービス内容を詳しく教えてください」
→ 信頼できる会社であれば、しっかり説明できるはず。
質問3:「今後の連絡を控えていただけますか?」(不要なら明言)
→ はっきりと意思表示しないと、何度もかかってくる。
さらに、「今後の営業連絡は一切不要です」と言った後、着信履歴や通話内容をメモしておくことが、トラブル回避に役立つ。
最近では、営業電話の中に、強引な勧誘や、オレオレ詐欺に近いビジネススキームが混ざっていることもある。
しつこい電話、断っても何度もかけてくる、個人情報を不審な方法で使っている――そんなときは以下の対応を。
「この会話は録音させていただいております」と伝える
「情報保護の観点から不快です」とはっきり言う
場合によっては、個人情報保護委員会への相談も検討。
電話を受ける側が萎縮してしまっては、営業電話の“質”は良くならない。
だからこそ、佐々木真理さんのように「自分の情報を守るための質問」を投げかけ、毅然と断る力を持つことは、会社と自分を守る大切な行動だ。
電話を切ったあと、真理さんは心の中でつぶやいた。
「こちらが無言で受け入れ続ける限り、“失礼な営業”はなくならない。だからこそ、断るときは、しっかりと伝える」
あなたも、突然の営業電話に戸惑ったら、今日からこの3つの質問を。
✅ どこで情報を得たのか尋ねる
✅ 会社名・サービス内容を具体的に聞く
✅ 不要なら、今後の連絡を明確に断る
✅ 記録を残し、繰り返しあるなら専門機関への相談も検討
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