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2025.10.24
ランサムウェア被害でも報告義務なし?個人情報保護委員会への報告不要と判断するケースとは
サイバー攻撃がますます高度化する中で、ランサムウェア被害は多くの企業や組織にとって無視できないリスクとなっています。被害を受けた際には「個人情報保護委員会への報告が必要かどうか」が重要な判断ポイントとなります。本記事では、「報告不要」と判断できるケースについて、法的な観点を踏まえて解説します。
ランサムウェア被害とは?
ランサムウェアは、PCやサーバーのデータを暗号化し、元に戻すために「身代金(ランサム)」を要求する悪質なマルウェアです。
被害にあった場合、多くの企業が情報漏えいや業務停止に悩まされます。
報告が必要なケースとは?
個人情報保護法第26条では、「個人データの漏えい等」が発生した際、一定の要件を満たす場合には個人情報保護委員会への報告が義務付けられています。以下が主な報告義務の条件です:
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漏えいした件数が1000件以上
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不正アクセスの可能性が高い
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漏えいにより被害が発生する可能性がある
「報告不要」と判断できるケース
以下のような場合には、個人情報保護委員会への報告義務がないと判断される可能性があります:
1. 暗号化のみで漏えいが確認できない
攻撃者がファイルを暗号化したものの、データの持ち出し(exfiltration)が確認されなかった場合。
たとえば、ログの確認やフォレンジック調査により、データの外部送信がなかったことが確認されたケースです。
2. 個人情報が含まれていない
被害にあったシステムやファイルに個人情報が含まれていない場合、個人情報保護法の適用外となります。
3. 対象データが仮名加工情報や匿名加工情報
暗号化されても、個人を特定できない加工情報(仮名加工情報・匿名加工情報)のみで構成されている場合、報告義務は生じません。
注意点:判断は慎重に
「報告不要」と判断するには、正確な事実確認と法的知識が必要です。安易な判断はリスクにつながるため、専門家(弁護士やセキュリティ会社)との連携が欠かせません。
まとめ
ランサムウェア攻撃を受けた場合でも、すべてのケースで個人情報保護委員会への報告が必要とは限りません。
被害の性質と範囲を正しく把握したうえで、適切な判断を行いましょう。
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