INFORMATION
お役立ち情報
-
2025.05.04
突然の営業電話、あなたならどうする?〜個人情報と営業のマナーを考える〜
第1章:ある午後の静かなオフィスにて 「……はい、〇〇株式会社・総務の佐々木です」 その日も、佐々木真理さん(38)はいつも通り、静かなオフィスで経理処理を進めていた。電話が鳴るまでは。 「お世話になります!〇〇システムの田中と申します。今、企業様向けに新しいツールのご案内をしておりまして――」 冒頭からテンポの速いセールストーク。聞き覚えのない会社名。しかも、相手はこちらの名前も部署も知っている様子。 「……え、なんでこの番号を? 誰がどこでこの情報を渡したの?」 真理さんの頭に、ひとつの疑問と不安がよぎる。 第2章:営業電話はどこから番号を手に入れているのか? 営業電話の多くは、業界名簿・ウェブ上の企業情報・展示会の名刺交換など、公開されている法人情報をもとにかけられている。 中には名簿業者から購入したデータを使っているケースもある。 だが、そうした説明がないまま、いきなり個人名や部署を名指しで話し始めると、受け手はこう感じる。 「これはどこでうちの情報を手に入れたのか?」 「うちの情報、勝手に使われてないか?」 「個人情報の目的外利用では?」 真理さんも、まさにこの状態だった。 第3章:「それ、うちの情報どこで手に入れたんですか?」と聞いてみる 真理さんは、戸惑いながらもこう聞いた。 「ちなみに、うちの情報はどちらから入手されたのですか?」 すると、相手の営業マンは一瞬詰まった後、 「え、あ、たぶん業界名簿とか……ウェブかも、ですかね……」 曖昧な返答に、不信感が募る。真理さんはすぐに会話を切り上げることにした。 第4章:適切な営業電話の見分け方と、聞いておくべき3つの質問 真理さんは後輩にこうアドバイスした。 「突然の営業電話にはね、“3つの質問”を投げかけるといいのよ」 質問1:「どこでこの番号・名前を知りましたか?」 → 情報源が不明確な場合、目的外利用や名簿購入の可能性もある。 質問2:「御社の会社名とサービス内容を詳しく教えてください」 → 信頼できる会社であれば、しっかり説明できるはず。 質問3:「今後の連絡を控えていただけますか?」(不要なら明言) → はっきりと意思表示しないと、何度もかかってくる。 さらに、「今後の営業連絡は一切不要です」と言った後、着信履歴や通話内容をメモしておくことが、トラブル回避に役立つ。 第5章:もし相手がしつこい場合は… 最近では、営業電話の中に、強引な勧誘や、オレオレ詐欺に近いビジネススキームが混ざっていることもある。 しつこい電話、断っても何度もかけてくる、個人情報を不審な方法で使っている――そんなときは以下の対応を。 「この会話は録音させていただいております」と伝える 「情報保護の観点から不快です」とはっきり言う 場合によっては、個人情報保護委員会への相談も検討。 最終章:「断ることは、守ること」 電話を受ける側が萎縮してしまっては、営業電話の“質”は良くならない。 だからこそ、佐々木真理さんのように「自分の情報を守るための質問」を投げかけ、毅然と断る力を持つことは、会社と自分を守る大切な行動だ。 電話を切ったあと、真理さんは心の中でつぶやいた。 「こちらが無言で受け入れ続ける限り、“失礼な営業”はなくならない。だからこそ、断るときは、しっかりと伝える」 あなたも、突然の営業電話に戸惑ったら、今日からこの3つの質問を。 まとめ:営業電話が来たときのチェックリスト ✅ どこで情報を得たのか尋ねる ✅ 会社名・サービス内容を具体的に聞く ✅ 不要なら、今後の連絡を明確に断る ✅ 記録を残し、繰り返しあるなら専門機関への相談も検討
-
2025.05.04
テレアポ中に「個人情報の目的外利用だ!」と怒鳴られた新人・田中くんの奮闘記〜情報漏えいと誤解されない営業の心得とは〜
第1章:突然のクレーム、その一言が突き刺さる 「君!この電話、どういうつもりだ!うちはそんな情報を渡した覚えはないぞ。これは“目的外利用”じゃないのか!?個人情報を勝手に使ってるんじゃないのか!?」 4月のある昼下がり。 新卒でBtoB商材を扱う営業会社「A社」に入社したばかりの田中悠真(たなか ゆうま)(仮名)は、電話の向こうから聞こえてきた怒声に固まっていた。 社会人になって、まだ2週間。電話営業(いわゆるテレアポ)に配属され、リストに従って一件ずつ架電を始めた矢先だった。 まさか、**「個人情報の目的外利用だ!」**と怒鳴られるなんて思ってもいなかった。 受話器を置いた後、田中くんは手が震えていた。 第2章:「テレアポは違法なのか?」という素朴な疑問 先輩社員の水野さんに事情を話すと、苦笑しながらこう言った。 「それ、初テレアポあるあるだよ。大丈夫、君が違法行為をしたわけじゃない。でも、確かに“伝え方”にはコツがある」 田中くんは、混乱していた。自分は上司から渡された“リスト”をもとに電話をしていただけ。企業向けのツール紹介をしていただけ。なのに、なぜ「個人情報を勝手に使うな」と言われるのか。 水野さんは、田中くんのノートを開いて説明を始めた。 第3章:「目的外利用」ってどういう意味? 「まず、“目的外利用”って何かというとね、個人情報保護法で定められているルールのひとつなんだ。簡単に言えば、『この情報はこの目的で使います』って本人に説明して集めた情報を、別の目的で勝手に使っちゃいけないってこと」 「なるほど……でも僕ら、個人のスマホとかにかけてないですよ?会社の代表番号にかけてるだけです」 「そう、それが大事なポイント。個人情報か法人情報かってのは大きな分かれ目なんだ」 水野さんは続けた。 「会社名・代表電話番号・代表者名などは、基本的には“個人情報”ではない。つまり、営業電話をかけるだけで即、違法になることはない。 だけど、かけ方や話し方を間違えると、“うちの情報が勝手に使われている”と誤解されてしまう」 第4章:クレームを防ぐ5つの心得 水野さんは、ホワイトボードにこう書いた。 『 テレアポで「情報漏えい」や「目的外利用」と誤解されないための5つの心得 』 ✅情報の出どころを明確にする 例:「〇〇の業界名簿から貴社を拝見し、ご連絡いたしました」 →「どこでうちの情報を得たの?」という疑問を封じる。 ✅法人向けであることをはっきり伝える 例:「個人様ではなく、御社の営業ご担当者様へご案内しております」 →「個人情報を勝手に使われた」との誤解を防ぐ。✅自社の社名・目的・商品名を明確に伝える 例:「株式会社〇〇の田中と申します。新しい業務管理ツールのご紹介でお電話しました」 →「怪しい」「誰なのか分からない」という拒絶を避ける。 ✅相手の意向を尊重し、無理に話を進めない 例:「ご不要であれば、今後ご案内を控えさせていただきます」 →クレーム予防と信頼構築に効果大。 ✅記録と管理体制を整える →リストの出所・使用目的・使用範囲を社内で明確にしておくことで、万が一の問い合わせにも対応できる。 第5章:見えてきた「誠実な営業」の姿勢 「テレアポって、うまくやれば信頼される第一歩になる。でも、油断すれば“うさんくさい”“不快”に変わる。 だからこそ、“情報の使い方を意識すること”は、営業の基本姿勢でもあるんだよ」 水野さんの言葉は、田中くんに深く刺さった。 「テレアポは怖くない。ただし、誠実であれ。情報の持ち主に対して、正直で、丁寧であれ――」 翌週、田中くんは再び架電を始めた。今度は、「どこで得たか」「なぜかけているか」「どこに属する者か」を一つひとつ明確にしながら。 すると、ある日。電話の向こうからこう言われた。 「きちんと説明してくれてありがとう。実は、こういう電話っていつも嫌だったけど、あなたの対応はちゃんとしてたよ。話、少し聞いてみるよ」 ほんの少し、田中くんの声が弾んだ。 第6章:逆に「これはアウト」になるケースとは?~佐藤さんが踏み越えなかった一線~ 佐藤さんの行動が合法かつ公益通報として認められる可能性が高いことはわかってきました。 けれども、もし彼がもう一歩違う行動をとっていたら――話はまったく別のものになっていたかもしれません。 ケース1:他人の勤怠データも一緒に持ち出していたら? 「実は、同期の村上くんも残業がひどくて。だから彼の分も一緒に持ち出してあげようと思ったんです」 ――もし、佐藤さんがそんな“親切心”で他人の勤怠情報までコピーしていたら、どうなっていたでしょう? これは明確に個人情報保護法違反となります。たとえ会社のPCに自由にアクセスできる立場だったとしても、本人の同意なく第三者の個人情報を取得・持ち出すことは違法です。罰則の対象にもなりうる、深刻な違反です。 ケース2:SNSにアップして世間に晒していたら? 「証拠としてSNSで公開した方が話題になるかなと思って、画像をツイートしました」 ――これも非常に危険です。 公益通報としての保護が成立するのは、**「正当な通報先に対して」「通報する目的で行われた場合」**に限られます。SNSへの公開は、企業名や個人名を晒す行為となり、名誉毀損罪や信用毀損罪、プライバシー侵害など複数のリスクを伴います。 企業側から名誉毀損による損害賠償請求をされることも十分にあり得ます。 ケース3:社内で禁止されていた方法で情報を抜いたら? たとえば会社が「外部USB使用禁止」「勤怠データの印刷持ち出し禁止」と明記していたにもかかわらず、それを破って情報を持ち出した場合。 この場合、たとえ持ち出したのが自分の情報だけだったとしても、社内規定違反に該当します。 在職中なら懲戒処分、退職後であっても民事上の債務不履行や秘密保持義務違反として追及されるリスクがあります。 ケース4:勤怠情報に他の機密が混じっていたら? 「自分の勤怠表の備考欄に、どのプロジェクトに関わっていたかや、取引先名が記載されていました」 このような場合、勤怠データの中に業務機密や顧客情報が混ざっているケースもあります。これは、不正競争防止法違反のリスクが生じる可能性があります。 特に営業機密や取引先との契約条件などが紐づいていると、単なる“自分のデータ”という枠を超えてしまうため、取り扱いには細心の注意が必要です。 第7章:情報は「誰のものか」だけでなく、「どこへ、何のために」が問われる 佐藤さんが違法とならなかったのは、「自分の情報だけを」「適切な方法で」「適切な機関に」「公益目的で」提供したからです。 逆に、たとえ同じ勤怠データであっても、使い方や送り先、そこに含まれる情報によって、法的な意味合いがまったく変わってしまうのです。 最終章:慎重に、誠実に、それでも声を上げる勇気を 「じゃあ、怖くて何もできないじゃないか」――そう思った方もいるかもしれません。でも、違法かどうかのポイントを押さえ、誠実な姿勢で行動すれば、正当な通報者として守られる仕組みは、日本の法律の中にちゃんと存在します。 大切なのは、情報を「味方」にすること。 佐藤さんのように、自分の働き方に疑問を持ち、声を上げることを恐れず、その一方で法律やルールを学び、冷静に一歩踏み出す―― それが、本当の意味で「正しい告発」といえるのではないでしょうか。 エピローグ:情報は「信頼の橋」にも「火種」にもなる 情報は力です。 営業リストも、電話番号も、担当者名も、それを扱う人の“姿勢”によって武器にも、爆弾にもなります。 目的外利用かどうかは、単に法律の話ではありません。相手が「自分の情報が勝手に使われた」と感じれば、それはすでに信頼の喪失です。 逆に、丁寧に説明し、納得感を与えることができれば、それは「誠実な会社だな」という第一印象につながります。 新人営業マン・田中くんのように、一つひとつの情報に向き合い、敬意を持って使う姿勢こそが、これからのテレアポに求められる倫理なのかもしれません。
-
2025.05.04
退職前に勤怠データを持ち出して労基署へ提出するのは違法?情報漏えいに該当するかを徹底解説!
ある日、佐藤さんから届いた相談。 「吉村さん……ちょっと相談があるんです。会社を辞める前に、自分の勤怠データをUSBにコピーしておいたんです。退職後、未払い残業代の件で労働基準監督署に相談したんですけど……これって、情報漏えいになるんでしょうか?」 そう語るのは、関西のとあるIT企業に勤めていた佐藤健一さん(仮名・30代前半)。 数年間勤めていた会社では、日常的に月80時間を超える残業が当たり前。 それなのに、残業代は「みなし残業」で処理され、申請すらできない空気がありました。 そんな状況に耐えかね、彼は退職を決意。 会社のシステムから自分の勤怠データを抜き取り、退職後、証拠として労基署に提出しました。 ところが、後日…… 前職の人事担当から「社内情報を持ち出すなんて、情報漏えいじゃないのか」と責められ、不安になったというのです。 果たして、佐藤さんの行動は法的に問題だったのでしょうか? 勤怠データって、そもそも誰のもの? まず最初に考えるべきなのは、「勤怠データとは誰のものか?」という問題です。 企業がシステム上で管理しているとはいえ、その中には個人名、勤務時間、休暇取得など、その人の働き方やライフスタイルが詳細に記録されています。 実際、勤怠データには「個人情報」が含まれているため、個人情報保護法の適用対象になります。 しかし、そのデータの「主体」は本人であり、本人には自分の個人情報を開示請求する権利(個人情報保護法 第33条)があります。 つまり、佐藤さんが取得したのが「自分自身の勤怠データ」であり、そこに他人の情報が含まれていなかったのであれば、それだけで違法行為になるとは考えにくいのです。 問題となるのは「どうやって」「何を」「どこに」持ち出したか ただし、すべてが正当化されるわけではありません。 佐藤さんが行ったように、自分の勤怠データだけをUSBに保存して持ち出すという行為が、企業のセキュリティポリシーに違反していた場合、それは**「社内規定違反」**になる可能性があります。 企業によっては「社外への情報持ち出し禁止」や「外部記録媒体への保存禁止」といった規則が定められており、それを破れば懲戒処分の対象になることも。 ただ、佐藤さんの場合はすでに退職済み。企業が後から懲戒処分を下すことは難しく、仮に損害が発生していなければ、損害賠償請求なども現実的には考えにくいです。 一方で、もし佐藤さんが他の社員の勤怠データも一緒に持ち出していた場合、それは完全にアウトです。他人の個人情報を本人の同意なく第三者に提供する行為は、個人情報保護法違反となり、重大な法的リスクを抱えることになります。 「労基署に提出する」は違法ではなく、むしろ守られている行為 ここで重要なのは、佐藤さんが勤怠データを持ち出した目的です。もし彼が、そのデータを使って元職場を誹謗中傷するためにSNS等に晒したのであれば、たとえ自分のデータであっても名誉毀損や信用棄損に問われかねません。 しかし、今回は労基署という公的機関に提出し、未払い残業代の申告という公益性のある目的のために使用しています。 このような場合、「公益通報者保護法」という法律が関係してきます。この法律は、労働者が企業の違法行為を内部告発・外部通報する際、その通報によって不利益を被らないよう保護する制度です。 労基署はその「通報先」として正式に認められており、通報の内容が真実と信じるに足るものであれば、通報者の行為は法的に保護されます。 つまり、佐藤さんのように「自身の労働環境の是正のために」「自身の情報を証拠として」使う行為は、情報漏えいには該当せず、適法とされる可能性が極めて高いのです。 企業側のリスクと対策 一方で、企業側としても、従業員が退職時に情報を持ち出すことは、経営上のリスクとなりえます。 たとえ合法であっても、対応を間違えると「隠ぺい体質」として社会的信用を損ねる恐れもあります。 そのため、企業が講じるべき対策としては以下のようなものが考えられます。 🔷勤怠システムへのアクセス制御(ダウンロード・印刷権限の制限) 🔷社内の持ち出しルールの整備と明文化 🔷従業員への定期的な情報管理教育の実施 🔷内部通報制度の整備と、相談窓口の見える化 加えて、未払い残業や労働環境への不満がそもそも存在しないよう、適切な労務管理と風通しの良い社内文化の構築が、最も根本的な対策となるでしょう。 まとめ:情報漏えいか正当な通報か、それを分けるのは「目的と方法」 佐藤さんのケースは、「情報漏えい」と「正当な権利行使」のはざまにある行為でしたが、法的に見れば、個人情報保護法・公益通報者保護法いずれの観点からも、明確に違法とは言えないものです。 しかし、その正当性を守るためには、「自分のデータに限る」「正規の手段で取得する」「公的機関への提出に限る」など、目的と方法の正しさが不可欠です。 一方、企業側もこのような事例に対して過剰に反応するのではなく、内部に問題がなかったかを冷静に見直し、再発防止と改善に努めることが、長期的には会社の信頼を守る道となるはずです。
-
2025.04.07
難しい個人情報関連用語を小さい子にも分かるように解説!
『個人情報保護に関する用語は、難し過ぎて意味が分からない。』とよくご質問をいただきます。 今回は難解用語トップ3とも言える「匿名加工情報」、「仮名加工情報」、「個人関連情報」について小さい子も分かるよう解説していきます。 ここから記事のしゃべり方が変わりますのでご注意ください(笑) 今からようちえんのおともだちにもわかるように、 やさしいことばで「仮名加工情報」「匿名加工情報」「個人関連情報」のおはなしをするね。 こんにちは!たろうくんのおはなし たろうくんは、ようちえんにかよっている5さいのおとこのこ。 すべりだいやブロックあそびがだーいすき♥ せんせいは、「みんながどんなあそびをしているか、すこしだけしらべてみたいな」って思いました。 でも、そのときにとっても大事なことがあるの! それはね、**「みんなのひみつはちゃんとまもること!」**なんだよ。 1.仮名加工情報(かめいかこうじょうほう)ってなに? たろうくんのほんとうのなまえを「★くん」にかえたり、 「にじいろ町5-6」っていうじゅうしょを「にじいろ町」だけにしたり…。 こんなふうに、「ほんとうのじょうほう」をちょっとだけかえて、だれかわからないようにしたものを 「仮名加工情報(かめいかこうじょうほう)」っていうんだよ。 でもね、すごーくがんばったら、「★くんって、たろうくんじゃない?」ってばれちゃうこともあるから、 **まだまだ注意がひつよう!**なの。 2.匿名加工情報(とくめいかこうじょうほう)ってなに? こんどは、ぜーったいにだれかわからないようにしちゃおう! たとえば… 「5さいの子が10人、すべりだいであそんでいました」 「ようちえんで一番にんきなおもちゃは、レゴでした!」 こんなふうに、ひとりひとりのなまえもないし、だれのことかわからないようにしたじょうほうを 「匿名加工情報(とくめいかこうじょうほう)」っていうよ! これなら、ぜったいにひみつがばれないからあんしんだね。 3.個人関連情報(こじんかんれんじょうほう)ってなに? さいごはちょっとふしぎな「個人関連情報(こじんかんれんじょうほう)」! これはね、なまえやじゅうしょは書いてないんだけど、 たとえば… 「このタブレットをよくつかう人は、きっとようちえんの子だね」 「このあそびをよく見るのは、たぶんおとこのこかな?」 みたいに、ちょっとだけその人のことがわかっちゃうヒントがあるじょうほうのこと! だから、これもだいじにあつかわないといけないんだよ。 まとめるとこうなるよ! 名前 どんな情報? わかっちゃう? 仮名加工情報 名前などをちょっとかえたよ もしかしたらばれるかも? 匿名加工情報 だれかぜったいわからないようにしたよ ぜったいばれない! 個人関連情報 ヒントだけのこってるよ なんとなくわかるかも? おわりに みんなの「なまえ」や「あそびのこと」って、すごくたいせつなひみつなんだよ。 せんせいやおとなの人たちは、そのひみつをちゃんとまもるために、いろんなやりかたをつかってるんだ! だから、もしなにか聞かれたときは、「それってなんでつかうの?」って聞いてみてね。 みんなのひみつは、みんなのたからものだよ♥
-
2025.03.16
個人情報を加工して「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しないケースとは?
個人情報の取り扱いは、企業にとって重要な課題の一つです。 特に、人材派遣会社や求人情報を扱う企業では、候補者の経歴やスキル情報を適切に管理し、必要に応じてクライアント企業へ提供する必要があります。 しかし、個人情報保護法の規制により、個人情報の取り扱いには厳格なルールが適用されます。 では、個人情報を加工した場合、どのようなケースで「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しない状態になるのでしょうか?今回は、その条件と具体例について解説します。 1. 「個人情報」「匿名加工情報」とは? まず、「個人情報」と「匿名加工情報」の定義を整理しておきましょう。 個人情報(個人情報保護法 第2条第1項) 「特定の個人を識別できる情報」または「他の情報と照合することで識別できる情報」のこと。例えば、氏名、住所、生年月日、顔写真、社員番号などが該当します。 匿名加工情報(個人情報保護法 第2条第6項) 個人情報を加工し、「特定の個人を識別できないようにし、かつ元の情報に戻せないようにした情報」のこと。匿名加工情報として利用する場合、適切な管理が求められます。 つまり、単に名前を削除するだけでは「匿名加工情報」にはならず、ほかの情報(職歴、学歴、資格など)との組み合わせで特定可能であれば、引き続き「個人情報」として扱われます。 2. 「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しないケースとは? では、どのように加工すれば、個人情報にも匿名加工情報にも該当しないのでしょうか?主に以下の3つの条件を満たす必要があります。 ① 個人が特定できないこと 個人情報であるかどうかの最大のポイントは、「特定の個人を識別できるかどうか」です。氏名や住所はもちろん、学歴や職歴、資格情報などを詳細に記載していると、他の情報と組み合わせることで個人が特定できる可能性があります。そのため、情報を抽象化し、個人識別性を排除する必要があります。 例: NG:「東京都〇〇区出身、〇〇大学卒、△△株式会社で営業経験5年」 OK:「都内の大学卒、営業経験あり」 ② 元の個人情報に復元できないこと 仮に匿名化した情報であっても、元のデータと照合して個人を特定できる場合、それは「仮名加工情報」や「個人情報」に該当する可能性があります。そのため、復元が不可能な形でデータを加工することが重要です。 例: NG:「Aさんの情報を基にした仮名の履歴書」 → 社内のデータと突き合わせれば特定可能 OK:「複数の経歴を統計的にまとめたデータ」 ③ 一般的な統計データや業界情報として利用できること 統計データや業界全体の情報のように、個人に紐づかない形でデータを整理すれば、それは「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しません。 例: 「派遣登録者の平均年齢は35歳」 「ITエンジニア経験者のうち、80%がJavaスキルを持つ」 「営業職の平均勤続年数は5年」 このように、データを個別の情報から集計・統計化することで、個人識別性を排除することが可能です。 3. 具体的な活用例 ケース1:人材派遣会社がスキルデータを企業に提供する場合 人材派遣会社が企業に候補者の情報を提供する際、個人情報を伏せた形で「仮名の履歴書」を作成すると、社内データと照合すれば個人が特定できるため「個人情報」に該当する可能性があります。しかし、「〇〇分野の経験者が○○名在籍」といった統計的なデータに変換すれば、個人情報には該当しません。 例: NG:「Aさん(仮名):営業経験5年、英語ビジネスレベル」 OK:「営業経験5年以上の登録者:10名」 ケース2:マーケティングデータとして活用する場合 ある企業が顧客の購買データを分析し、マーケティングに活用する場合、個人の購買履歴をそのまま利用すると個人情報になります。 しかし、「20代男性の購入傾向」や「都内在住者の購買割合」などの統計データに変換すれば、個人情報には該当しません。 例: NG:「東京都〇〇区在住のAさんは、毎月〇〇を購入している」 OK:「東京都在住の30代男性のうち、〇〇を購入する割合は40%」 4. まとめ 個人情報を適切に加工することで、「個人情報」にも「匿名加工情報」にも該当しないデータとして活用することが可能です。 そのためには、以下のポイントを意識することが重要です。 ✅ 個人を特定できないように情報を抽象化する ✅ 他のデータと照合しても特定できないようにする ✅ 統計データや業界情報としてまとめる 企業がデータを活用する際は、個人情報保護法を遵守しながら、適切に情報を加工することが求められます。特に、人材派遣やマーケティングなどの分野では、データの取り扱いに細心の注意を払いながら、適切な方法で情報を活用していきましょう。
-
2025.03.03
AIモデル「Deep Seek」と個人情報
中国の企業DeepSeekが発表したAIモデルの「Deep Seek」は、低コストかつChatGPTに匹敵する高機能AIモデルとして今注目を浴びています。 しかしその使用について各国が警戒する動きを示しています。その大きな理由の一つが、個人情報の取扱い方です。 イタリアは、DeepSeek社が収集した個人情報をどのように取り扱うかについて情報を充分に開示していない点に懸念を示し、当該モデルの利用について差し止め命令を出しました。 韓国は、個人情報をどのように管理しているかをDeepSeek社に質問する計画を発表し、新規ダウンロードを停止させました。 フランスや、ベルギー、アイルランドでも、それぞれ調査に乗り出しています。 1. 日本における「Deep Seek」の取扱い方 では、日本は「Deep Seek」モデルについて、どのような見解を示しているのでしょうか? 以下、個人情報保護委員会H Pの一部を抜粋してみました。 (参考)https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/250203_alert_deepseek/ 生成AIサービスについては、その利用が世界的に普及している中、新たにDeep Seek社による生成AIサービスが開発され、サービス提供が開始されています。 同社の生成AIサービスについては、日本国内でサービス提供体制が構築されている他のサービスとは異なり、留意すべき点がありますが、同社が公表するプライバシーポリシーは中国語と英語表記のもののみとなっています。 このため、同社が公表するプライバシーポリシーの記載内容に関して、以下のとおり、情報提供を行います。 ①当該サービスの利用に伴いDeep Seek社が取得した個人情報を含むデータは、中華人民共和国に所在するサーバに保存されること ②当該データについては、中華人民共和国の法令が適用されること (参考) 上記②に関して、当該データに対しては、例えば以下のような法令が適用されることとなります。 中華人民共和国個人情報保護法 サイバーセキュリティ法 データセキュリティ法 中華人民共和国国家情報法 等 以上のように、日本では「Deep Seek」について、留意する点があるという姿勢を示すものの、まずはそのプライバシーポリシーの情報提供を行うことにとどまっています。 平将明デジタル相も「データ保護の観点で懸念が払拭されるまでは公務員が使うのは控えるか、使うのであれば留意すべきだ」と見解を述べています。 ところで、上記情報提供には、「Deep Seek」が日本の個人情報保護法とは異なった運用がなされることを示しています。 中国の個人情報保護法等は、安全保障上の目的によっては企業のデータを収集できるとされています。そのため、Deep Seek社が収集した個人情報が中国政府に取集される可能性も大いにありえます。 2. AIアプリと個人情報 以上のように「Deep Seek」と個人情報の関係についてみてきましたが、「Deep Seek」だけが懸念すべき対象であるというわけではありません。 今や、ChatGPTや「Deep Seek」に似たAIアプリが多数出回っている世の中です。 中には、本物そっくりの類似アプリ等もあり、注意が必要です。 類似アプリを使用してしまったら、最悪の場合、個人情報を不正に収集される可能性もあります。 AIアプリを使用する際はそのアプリが本物であるかどうか、また、プライバシーポリシーはどうなっているのかをしっかりとチェックし、見極めることが必要になってくるでしょう。
お問い合わせ
営業時間:9:30~19:00(メールによる受付は24時間)定休日:日曜日
事前のご予約で夜間、土日祝日でも対応可能