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2025.10.27
個人情報とSNS投稿ガイドライン── 浦和レッズ の声明を契機にプロの視点から考える投稿リスクと保護策
はじめに スポーツクラブに限らず、企業や団体が公式に「SNS上での誹謗中傷」や「撮影・投稿時の個人情報配慮」について言及するケースが増えています。 先日、浦和レッズが公式に、SNS上における選手・スタッフへの誹謗中傷を「断じて容認いたしません」と声明を発表しました。 こうした発表は、単なるスポーツクラブの対応にとどまらず、個人情報保護/肖像権/プライバシー配慮の観点から、広くビジネスやコミュニティ運営においても参考になるものです。 本稿では、個人情報保護を専門に扱う立場から、浦和レッズの発表内容を整理しつつ、SNS投稿時の注意点・ガイドライン策定におけるポイントを解説します。 浦和レッズの発表内容と背景 まず、クラブが公表した主なポイントを整理します。 ▶️ 2025年9月25日、公式サイトで「ソーシャルメディアにおける誹謗中傷について」というタイトルで声明を発表。 「一部選手の個人SNSアカウントに対し、ダイレクトメッセージやコメントを通じて、人格を傷つけるような誹謗中傷を複数確認しております」 と明記しています。 ▶️ 同声明では、「これは、当事者の心身に影響を及ぼすだけでなく、批判や叱咤激励の範囲を超えた、尊厳を脅かす明白な人権侵害です」という強い表現で、クラブとして人権・尊厳の観点からも対応の必要性を訴えています。 ▶️ また10月20日にはあらためて「誹謗中傷、あるいはそのように受け取られかねない行為は絶対にやめてください」と再呼びかけています。▶️ さらに試合会場における撮影・投稿のマナーについても、クラブ側から注意喚起されています。 例えば「本人の許諾なしにSNS等に投稿することはお控えください」という表現が報じられています。 このように、クラブは「選手・スタッフの人権・肖像権」「ファン・サポーターと選手の関係性」「SNS利用」「撮影・投稿マナー」という複数の観点から、個人情報・プライバシー保護に関する対応を明文化しています。 個人情報保護・SNS投稿のリスク(プロ観点から) 個人や組織がSNS投稿や撮影・投稿ガイドラインを策定・遵守すべき理由として、以下のようなリスクがあります。 1. 肖像権・プライバシー権侵害 撮影された人物が明確に識別可能で、本人の同意なしにSNSに投稿された場合、肖像権・プライバシー権の侵害となり得ます。 特に、クラブが「本人の許諾なしに投稿を控えてください」と呼びかけているのはこのためです。 企業・団体においても、社員・関係者・来訪者などが映り込む写真を無断でSNSなどに公開すると、法的・信頼的な問題を生じる可能性があります。 2. 誹謗中傷・名誉棄損クラブが「誹謗中傷を断じて容認しない」と声明したように、SNS上での悪意ある投稿は、個人や団体の名誉・心身に悪影響を及ぼし、法的な責任(名誉棄損、侮辱など)を問われることがあります。 組織としては、ファン・顧客・スタッフなど投稿に関わる関係者全体への啓発が必要です。 3. 個人情報の流出・二次的被害SNS投稿時に、顔写真だけでなく、名前・所属・背番号・自宅近隣などの属性が併記されたり、位置情報が記載されたりすると、個人情報流出やストーキング・犯罪被害へのリスクが高まります。 特にスポーツクラブの試合会場など多くの人が出入りする場所では、撮影・投稿時の配慮が重要です。 4. ブランド・信頼の損失企業・団体では、投稿マナーの不備がファン離れ・顧客離れ・社会的評判の低下を招くことがあります。 クラブのように「安心して活動できる環境を守ることが何よりも重要」と宣言することは、ブランド保護・ファンとの信頼構築という観点でも非常に意義があります。 投稿ガイドライン策定における5つの実務的ポイント プロとしてアドバイスすると、SNS投稿・撮影・共有にあたって、以下のようなガイドラインを設けることが有効です。 1. 同意取得ルールの明確化 撮影対象(選手、スタッフ、ファン)には、撮影・投稿前に明確な同意を得るように定義します。 顔がはっきり分かる、名前・背番号が特定できる、などは“要同意”とするとよいでしょう。 例えば「顔が写る場面では同意を取得」「背番号・氏名が特定されないよう配慮」など。 またクラブが掲げる “本人の許諾なし投稿を控える” という考え方を概ね踏襲することが望ましいです。 2. 誹謗中傷・コメント監視の仕組み化 投稿後のモニタリング・報告窓口を設け、選手・スタッフに対する悪意あるコメントやメッセージを早期に検知・対応できる体制を整えましょう。 浦和レッズが「ダイレクトメッセージやコメントを通じて、人格を傷つけるような誹謗中傷を複数確認している」と明記しているのは、こうした体制を意識している証左です。 3. 投稿内容の最小化・情報取捨選択 投稿に際して、必要最小限の情報にとどめることが重要です。 位置情報・個人の属性(出身地、家族構成など)などは、公開することで不要なリスクを伴います。 映像・写真も「背景に個人が特定できる情報が写り込んでいないか」「撮影場所・時刻が特定されうる内容でないか」を確認してください。 4. リスク想定と修正プロトコル もし投稿後に問題が発覚した場合、速やかに削除・訂正・謝罪を行うための社内フローを策定しておきます。 クラブが「今後もSNS含めた交流を継続するために、皆さまの理解と協力をお願い致します」と呼びかけているように、信頼維持には迅速な対応が鍵です。 5. 教育・啓発・継続的な見直し 出演者(選手・スタッフ)、撮影担当者、ファン・サポーターなど多様なステークホルダーに向けて、定期的な教育・啓発を行いましょう。 SNS利用ルール・肖像権・プライバシー配慮を明文化し、変更があれば都度通知・見直す体制を持つことが望ましいです。 なぜ今、クラブがこのような声明を出したのか? その背景として、以下のような社会・法制度的変化が考えられます。 昨今、SNS投稿が原因で著名人や一般人が誹謗中傷被害を受け、法的対応に至るケースが増加しています。 企業や団体も「自身の関係者が巻き込まれないように」に加えて「投稿が自身のブランド価値を損なわないように」という観点から対応強化を図っています。 「個人情報保護法」やその他関連法令(例えば「肖像権」「プライバシー権」)が意識される中、スポーツクラブも単なるエンタメ提供者から「社会的責任を持つ組織」へと役割が拡大しています。 ファン・サポーターとの双方向コミュニケーションをSNSで深める中、安心・安全な場を維持することがクラブ運営にとっても重要な課題となっています。 浦和レッズが「選手・スタッフとファン・サポーターのコミュニケーションが健全に保たれるべき」と述べているのはその表れです。 これらの背景を踏まえて、クラブが発表した声明は、ただの“注意喚起”ではなく、組織運営・リスクマネジメント・ブランド戦略を含んだ“包括的な対応”と言えます。 総括:組織が学ぶべき教訓と今後の展望 本稿でご紹介したように、SNS投稿・撮影・共有時には「個人情報(名前・写真・属性等)」「投稿の受け手(ファン・一般・社内)」「被写体本人の意志・同意」「投稿後の監視体制」など多面的な配慮が必要です。 浦和レッズの声明は、スポーツ界にとどまらず、企業・団体・地域コミュニティにとっても有用な“模範”と言えます。 これからSNS運用を行う際には、単に「投稿して終わり」ではなく、投稿前のチェックリスト・関係者教育・万が一の対応フローを備えることで、安心・信頼を損なうリスクを最小化できます。 また、時代の変化に応じて撮影技術・SNS機能・プライバシー意識も変化していくため、ガイドラインも定期的に見直すことが不可欠です。 最終的には、「人権・尊厳を守る」という観点が、個人情報保護・SNS運用・投稿マナーにおいても根底にあるべきです。 浦和レッズの言葉「安心して活動できる環境を守ることが何よりも重要」 は、まさにその指針と言えるでしょう。
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2025.10.24
ランサムウェア被害でも報告義務なし?個人情報保護委員会への報告不要と判断するケースとは
サイバー攻撃がますます高度化する中で、ランサムウェア被害は多くの企業や組織にとって無視できないリスクとなっています。 被害を受けた際には「個人情報保護委員会への報告が必要かどうか」が重要な判断ポイントとなります。 本記事では、「報告不要」と判断できるケースについて、法的な観点を踏まえて解説します。 ランサムウェア被害とは? ランサムウェアは、PCやサーバーのデータを暗号化し、元に戻すために「身代金(ランサム)」を要求する悪質なマルウェアです。 被害にあった場合、多くの企業が情報漏えいや業務停止に悩まされます。 報告が必要なケースとは? 個人情報保護法第26条では、「個人データの漏えい等」が発生した際、一定の要件を満たす場合には個人情報保護委員会への報告が義務付けられています。 以下が主な報告義務の条件です。 🔶 漏えいした件数が1000件以上 🔶 不正アクセスの可能性が高い 🔶 漏えいにより被害が発生する可能性がある 「報告不要」と判断できるケース 以下のような場合には、個人情報保護委員会への報告義務がないと判断される可能性があります。 1. 暗号化のみで漏えいが確認できない 攻撃者がファイルを暗号化したものの、データの持ち出し(exfiltration)が確認されなかった場合。 たとえば、ログの確認やフォレンジック調査により、データの外部送信がなかったことが確認されたケースです。 2. 個人情報が含まれていない 被害にあったシステムやファイルに個人情報が含まれていない場合、個人情報保護法の適用外となります。 3. 対象データが仮名加工情報や匿名加工情報 暗号化されても、個人を特定できない加工情報(仮名加工情報・匿名加工情報)のみで構成されている場合、報告義務は生じません。 注意点:判断は慎重に 「報告不要」と判断するには、正確な事実確認と法的知識が必要です。 安易な判断はリスクにつながるため、専門家(弁護士やセキュリティ会社)との連携が欠かせません。 まとめ ランサムウェア攻撃を受けた場合でも、すべてのケースで個人情報保護委員会への報告が必要とは限りません。 被害の性質と範囲を正しく把握したうえで、適切な判断を行いましょう。
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2025.10.23
複数当事者間での個人情報の適正な取扱いと最新の個人情報保護法改正の実務対応
❇️はじめに デジタル社会の進展に伴い、企業間や組織間での個人情報の共有・連携が日常的に行われるようになっています。 特にマーケティング、医療、教育、金融といった分野では、複数の事業者が協力してサービスを提供する中で、個人情報をどのように適切に扱うかが重要な課題となっています。 この記事では、複数当事者間での個人情報の利用における留意点と、個人情報保護法の最新改正動向、それに対応するための実務について詳しく解説します。 複数当事者間での個人情報の利用とは 複数当事者間での個人情報の利用とは、例えば以下のようなケースを指します。 💠 企業Aと企業Bが共同でキャンペーンを実施し、応募者情報を共有する場合 💠 医療機関と研究機関が患者情報を用いた共同研究を行う場合 💠 教育機関と自治体が生徒の進路情報を共有して支援を行う場合 このような情報の共有には、個人情報保護法に基づく正当な理由と手続きが必要です。 目的外利用の禁止、第三者提供に該当するか否かの判断、本人同意の取得方法などが重要なポイントになります。 個人情報保護法における第三者提供と共同利用 複数当事者間での情報共有が「第三者提供」に該当する場合、原則として本人の同意が必要です。 ただし、以下の「共同利用」の要件を満たす場合には、同意を得ることなく情報を共有することができます。 1. 共同利用する旨をあらかじめ本人に通知または公表していること 2. 共同利用する個人情報の項目が明確であること 3. 利用目的が特定されていること 4. 管理責任者が定められていること これらの条件を満たさない場合は、たとえグループ会社間であっても「第三者提供」となり、適法性に問題が生じます。 2022年・2023年の法改正の主なポイント 個人情報保護法は、デジタル化の進展に対応するため、近年頻繁に改正されています。 特に2022年と2023年の改正では以下の点が注目されました。 ✅ 不適正な利用の禁止の明文化 ✅ 仮名加工情報・匿名加工情報の制度強化 ✅ オプトアウト提供の厳格化 ✅ 外国にある第三者への提供に関する説明責任の強化 これにより、企業は情報の取り扱いにおいてより明確なルールと高い透明性が求められるようになりました。 複数当事者間での利用においても、これらの法的要件を踏まえた実務対応が求められます。 実務上の対応ポイント 以下は、複数当事者間で個人情報を取り扱う際に企業が取るべき主な対応策です。 1. 契約書の整備:個人情報の管理責任や利用目的の明確化を契約書に盛り込むこと。 2. プライバシーポリシーの更新:共同利用に関する記載を明記し、誰が責任者かを示す。 3. 社内教育の強化:個人情報の取扱いに関する研修を定期的に実施。 4. 監査とログ管理:共有情報の利用状況を監査し、アクセスログを記録する。 5. 情報提供時の本人通知:第三者提供に該当する場合は、明確な同意取得または通知を実施。 まとめ 複数当事者間における個人情報の適正な利用は、今後ますます重要性を増していくテーマです。 企業は、共同利用や第三者提供の違いを理解し、個人情報保護法の改正に対応した社内体制を構築することが求められます。 法的なリスクを避けるためにも、実務面での具体的な対応策を講じておくことが不可欠です。
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2025.10.15
アサヒグループHD ランサムウェア被害」から学ぶ、プライバシーマーク企業が取るべき個人情報保護の実践対策
1. 導入:プライバシーマーク認定企業にとってのリスク プライバシーマーク(Pマーク)は、「個人情報を適切に取り扱う体制を備えていること」を認定する制度であり、企業に対して個人情報保護への一定の信頼性を与える制度です。 しかし、サイバー攻撃やランサムウェア被害は、単なる「機密情報流出」だけでなく、個人情報漏えいにつながる可能性が高く、Pマーク企業にとっては認定維持リスク、社会的信用失墜リスクが非常に高い脅威です。 本記事では、アサヒグループHD の被害事案を題材に、「プライバシーマーク取得・運用企業」が特に注視すべきポイントと対策について解説します。 2. アサヒグループHD の被害概要と流出可能性 報道・公表内容を整理すると、以下のような被害・可能性が確認されています。 ⚠️ 2025年9月29日、システム障害を公表。後にランサムウェア攻撃によるものであると発表。 ⚠️ 攻撃により、サーバーが暗号化された可能性。 ⚠️ 個人情報の流出可能性を認め、公表。 ⚠️ 受注・出荷業務停止、メール受信停止、基幹システム停止といった業務影響を伴う障害。 ⚠️ ダークウェブ上で「アサヒHD のデータを盗んだ」とする主張(Qilin による二重脅迫的手法報道)も複数報道。 このように、被害が単なるシステム障害にとどまらず、個人情報の流出リスクを伴っている点が、プライバシーマーク運用者にとって重大な関心点になります。 3. プライバシーマーク視点で見る、この事案での課題と原因 以下は、プライバシーマークの観点で、今回の事案から浮かび上がる課題と原因仮説です。 3‑1 個人情報識別と保護範囲の甘さ Pマーク運用では、まず「どのデータが個人情報か」を明確に識別し、保護対象とする範囲を定めなければなりません。 しかし、ランサムウェア被害では、機密・業務データに混在して保存されている個人情報も一括で暗号化・流出されるケースがあります。 もし個人情報識別が不十分で、保護対象外と誤認されたデータがあったなら、漏えい対象として扱われず、しかも対策が甘くなる恐れがあります。 3‑2 データ最小化・アクセス制御不備 Pマークでは「収集最小化」「不要データの削除」「目的外利用禁止」が重要原則です。 しかし、実務面で個人情報を広範囲に保存しすぎると、被害時のリスクが拡大します。 また、アクセス権限設定が甘いと、ランサムウェア侵入後に横展開して多数の端末・システムに到達してしまいます。 3‑3 保存データ・ログ管理の不徹底 Pマークの運用要件には、ログ取得・アクセス履歴管理・異常検知が含まれます。 被害企業の中には、ログが十分に取得されていなかった、またはログ内容・保存期間が不足しており、感染源特定・流出範囲把握が難航するケースがあります。 今回のアサヒ社事案でも、流出可能性が後から認められたことから、初動段階での把握やログ分析が追いつかなかった可能性があります。 3‑4 外部送信・データ持ち出し対策の不備 プライバシーマーク運用上、外部への個人情報送信時の暗号化、持ち出し管理、外部委託先管理が必須です。 ランサムウェア攻撃において、攻撃者は「暗号化」だけでなく「データ外部転送(盗取)」を行うことが多く、二重脅迫手段を用います。 外部送信対策が十分でないと、外部に持ち出されてしまい、漏えい事故となります。 実際、この事案では「流出可能性」という表現が複数報道されており、外部送信の痕跡を調査中である旨も公表されています。 これらの課題を前提に、プライバシーマーク取得企業が取るべき対応策を次に示します。 4. Pマーク企業が取るべき個人情報保護強化策(対策) 以下は、プライバシーマーク運用の枠組み・認定要件の観点を踏まえた、実践的な強化対策案です。 4‑1 個人情報の分類と取扱範囲設計 ✅ どの情報が「個人情報」「要配慮個人情報」かを明確に定義・分類 ✅ 業務部門における個人情報取扱マトリクスを整備(どこで扱う、誰が扱う、どこへ送信するか) ✅ 不要になった個人情報は、速やかに安全に廃棄・削除 4‑2 アクセス制御と最小権限原則の徹底 ✅ 個人情報取扱システムへのアクセスは「必要最小限の権限」に限定 ✅ 部門・職責に応じたアクセスロール設計と定期的な見直し ✅ アクセス権変更・削除プロセスを明確化・運用 4‑3 暗号化・マスキング・匿名化の活用 ✅ 保存データ(at rest)や転送データ(in transit)に対する暗号化を適用 ✅ 個人情報表示箇所でのマスキング(氏名イニシャル化等)、必要に応じて匿名化処理 ✅ データベースやログにも暗号化をかける、キー管理運用を整備 4‑4 ログ管理・追跡性確保・異常検知強化 ✅ 個人情報アクセス・編集・出力操作のログを詳細に取得 ✅ ログ保存期間・整合性担保(改ざん防止措置)を確保 ✅ ログ分析ツール・異常検知ルールを導入し、アラート体制を整備 4‑5 データ出力・持ち出し・外部連携制御 ✅ 個人情報を含むファイルの出力制限(USB不可、クラウド転送制限など) ✅ ファイル転送・持ち出し時の承認プロセスと暗号化必須ルール ✅ 外部委託先への個人情報提供に際して契約条件・安全管理措置の明示 ✅ API 連携やクラウドアクセス時にも暗号化通信と認証制御 4‑6 定期的なリスク評価・審査対応準備 ✅ 年次または四半期ごとの個人情報リスクアセスメント実施 ✅ プライバシーマーク審査を想定した評価点・改善ログ整備 ✅ 内部監査・第三者監査を通じてギャップを洗い出し改善 4‑7 利用者通知・漏えい時対応手順明文化 ✅ 個人情報漏えい時の通知義務・対応フローをあらかじめ定めておく ✅ 被害範囲把握、影響者通知、再発防止策提示、報道対応(広報)体制整備 ✅ 漏えいインシデント後の社内手順演習(模擬訓練) 5. まとめとプライバシーマーク企業へのメッセージ アサヒグループHD のランサムウェア被害事例から、企業が注意すべき点は、 単なる「システム障害」ではなく個人情報保護という観点での被害拡大リスクです。 プライバシーマーク認定企業においては、個人情報にまつわる管理体制を強化しておくことが、認定維持のみならず、信頼性・ブランド保護にも直結します。 本記事で紹介した分類・アクセス制御・ログ管理・出力制限・漏えい対応といった対策を、日常運用レベルで確実に実装し、定期的に評価・改善を回すことが重要です。
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2025.10.14
「個人の識別」と「特定の個人の識別」の違いとは?わかりやすく具体例で解説
はじめに:よくある混同「個人の識別」と「特定の個人の識別」 個人情報保護やセキュリティに関する話題でよく登場する「個人の識別」と「特定の個人の識別」という言葉。 似ているようで意味が異なり、正しく理解していないと法的リスクや誤解を招く可能性もあります。 この記事では、それぞれの意味と違いを具体例を交えてわかりやすく解説します。 「個人の識別」とは? 定義:ある情報により、ある個人が他の個人と区別できること。 これは、誰かを「他の人と違う人だ」と認識できる状態を指します。 ただし、その情報だけで誰なのか(氏名など)まではわからないこともあります。 具体例: あるウェブサイトの訪問者ID(例:User1234) 音声認識による「この声は過去にも聞いた声」と認識すること アバターや仮名で投稿しているSNSアカウント これらは「同じ人が繰り返し現れている」とわかるが、「誰か」はわからない状態です。 「特定の個人の識別」とは? 定義:ある情報により、その人が誰なのか(氏名・住所など)までわかる状態。 つまり、実在の個人を特定できる情報が含まれている、あるいは組み合わせによって判明してしまう場合です。 具体例: 氏名+住所 マイナンバー 顔写真(AIが本人特定できる精度なら)特定の社員番号と社内データベースの紐付け これらは、単体または他の情報と組み合わせて、「この人だ」と特定できるものです。 まとめ:違いをシンプルに理解するコツ 種類 意味 例 特定の個人が誰か判明するか? 個人の識別 区別はできるが、誰かは不明 ユーザーID、仮名SNS ✕ 特定の個人の識別 誰なのかが明確 氏名+住所、顔写真 ○ ポイントは、「識別」は区別、「特定の識別」は本人を判定できるという違いです。 企業・個人が注意すべき点 近年では、個人情報保護法の観点から「識別できる」情報も慎重に扱う必要があります。 🔷 クッキー(Cookie)などのウェブトラッキング情報 🔷 位置情報や端末情報 🔷 SNSの投稿履歴 一見匿名でも、複数の情報を組み合わせることで個人が特定できる場合があります。 これを「識別可能性」と言い、企業が取得する際は利用目的の明示や同意取得が必要になります。 おわりに:正確な理解がトラブル回避の第一歩 「個人の識別」と「特定の個人の識別」の違いを正しく理解することは、情報セキュリティやプライバシー保護の基礎になります。 特にビジネスやIT分野に関わる方は、曖昧にせず明確に把握しておくべきです。
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2025.09.26
【国勢調査と個人情報】情報漏洩リスクや対策を徹底解説
国勢調査とは?個人情報との関係性 国勢調査(こくせいちょうさ)は、日本に住むすべての人を対象に5年ごとに実施される政府主導の統計調査です。 国勢調査では、「氏名」「性別」「年齢」「職業」「住居の種類」など、非常に詳細な個人情報が収集されます。 このため、「国勢調査で個人情報は本当に守られているのか?」という疑問を持つ人が増えており、プライバシー保護の観点からも注目されています。 国勢調査における個人情報の問題点 1. 調査員による個人情報漏洩のリスク 国勢調査は、調査員が紙の調査票を配布・回収する形式が今も一部で採用されています。 以下のような人的ミスによって、個人情報が漏洩する事例があります。 他人の調査票を誤って渡す 回収した調査票を紛失 身分証明書を提示せず訪問 これらは国勢調査における個人情報保護の重大な課題です。 2. インターネット回答とサイバーセキュリティ 最近はオンライン回答が主流になりつつありますが、「調査ID」や「パスワード」が記載された通知書が盗まれたり、**偽サイト(フィッシング詐欺)**が出現するなど、新たなセキュリティリスクも浮上しています。 3. プライバシーへの不安と拒否感 国勢調査で収集される個人情報の詳細さに対して、「なぜここまで聞くのか?」「悪用されるのでは?」といった不安の声も根強くあります。 一人暮らしの女性の不安 高齢者のセキュリティ知識の不足 調査員への不信感 こうした不安要素は、回答率の低下にもつながります。 国勢調査における個人情報漏洩の事故事例 【事例1】2010年 愛知県で調査票の紛失事故 調査員が回収した調査票を紛失し、職業・家族構成などの個人情報が第三者に流出する恐れがあるとして問題となりました。 【事例2】2020年 偽サイトによるフィッシング詐欺 国勢調査公式サイトを模した偽サイトが出現し、ログイン情報や個人情報を不正に取得する事案が発生。総務省は注意喚起を行いました。 【事例3】調査票の誤配・開封事故 誤った住所に調査票が送付され、別人が開封してしまったケースも報告されています。 【対策まとめ】国勢調査と個人情報を守るために必要なこと 今後は「紙の調査票の完全廃止」「本人認証付きオンライン回答の義務化」なども検討されるべきでしょう。 まとめ:国勢調査と個人情報保護は両立できるか? 国勢調査は、社会の未来を支えるための大切な統計データを得る手段ですが、個人情報の扱い方次第では信頼を失うリスクもあります。 信頼性を高めるには、以下の3つがカギです。 🔶 情報管理体制の見直し 🔶 技術的なセキュリティ強化 🔶 国民への説明責任と透明性 個人情報を守りつつ、国勢調査に協力できる体制づくりが急務です。
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